3.位牌の種類と形 - 位牌の知識

位牌の形状や材質などの違い

位牌は、まず、二種に大別することができます。

そのひとつは「順修牌(じゅんしゅはい)」で、もうひとつは「逆修牌(ぎゃくしゅはい)」です。

「順修牌」は、故人の供養のために遺族が作る位牌で、私たちが仏壇に置いてお参りしている位牌は全て順修牌です。
これに対して「逆修牌」は、生きている人が戒名や法名を授けられ、
これを表示した位牌を作った場合の呼び方で、「予修牌(よしゅはい)」とも呼ばれます。

生前に墓石を造立したり、仏壇を購入したりすることはそれほど珍しくありませんが、
逆修牌を作っている人はまだほとんどいないのが現状です。

私たちにとって馴染みのある位牌の「順修牌」には、形状や材質などの違いによる様々な種類があり、
その数は百を超えると言われています。

一般的な位牌の中で最もシンプルなものは、台座の上に戒名や法名を記した札板を立てた位牌です。
シンプルな形の位牌に、雲や月、唐草などのデザインをあしらった屋根を付けた位牌もあります。
また、札板を覆うように扉をつけた位牌もあります。

沖縄地方には、「屏位(へいい)」と呼ばれる特色のある位牌があって、
位牌の中央部に「帰真霊位」の文字があり、その左右に複数名の仏様の名前(俗名)を記すスペースが設けられています。

代々続いているような旧家では、ご先祖様の数が多く、故人11人の位牌を全て祀ることが難しいことがあります。
そのような場合に用いられているのが、板位牌を十枚程度重ねて祀ることのできる「繰り出し位牌」です。

繰り出し位牌は、屋根と扉がついた枠の中に、複数の位牌の板が納められており、
故人の年忌や月忌(がっき)に合わせて繰り出しながら供養することができます。

屋根も扉もついておらず、
1人もしくは夫婦2人の名前を刻むシンプルな形の位牌には、
いくつかの代表的なスタイルがあります。

最もシンプルなのは、「春日型」と呼ばれる位牌です。
札板が乗る受け台は四角で装飾が少なく、框座の形もシンプルです。
春日型の中でも受け台に蓮の飾りがついたものは、「蓮付春日型」と呼ばれています。

春日型位牌の札板頭頂部が鳥の巣の形に似た「木瓜型(もっこうがた)」になっていて、
框座に独特な前垂れがついているのが、「勝美型」位牌です。

「葵角切型」位牌は、春日型と同じ木瓜型の頭頂部で、受け台に蓮華の装飾があり、
台座の角が落とされた形になっています。

框座には前垂れがデザインされ、和風の門構えのようなスタイルです。

框座の形が猫の後ろ足のように丸まっているのが特徴の「猫丸型」位牌には、
装飾を施した華やかな台座の前面と左右に金箔を施した「三面金猫丸」や
金を施す分量を増やし豪華に仕上げた「上等猫丸」などもあります。

「呂門(ろもん)」型位牌は、位牌の框座が“ロ”の字のようであることからそう呼ばれています。
また、この框座が桜門にも似ているため、「桜門型」位牌とも呼ばれています。

最近は、こうした伝統的な形にとらわれない自由な形状の位牌も登場しています。