4.位牌の選び方 - 位牌の知識

位牌は戒名や法名を記して供養・礼拝するための木札です。

本人が故人になってから際家族の手によって作られことの多いこの小さな木札には
故人の霊が宿るとされており、“依り代(よりしろ)”としての意味合いも持ちます。
浄土真宗以外の仏教では、仏壇に安置して、朝夕お参りするのが一般的です。

また、位牌には数多くの種類があり、宗旨や宗派によってお祀りすべき位牌が決まっているわけではありません。
つまり、原則として位牌を用いない浄土真宗以外の宗派では、数ある位牌の中から好みの位牌を選んで
お祀りすれば良いということになります。

では、故人そのものを表すとも考えられる大切な位牌は、どのように選べば良いのでしょうか?

位牌はまず、「順修牌(じゅんしゅはい)」と「逆修牌(ぎゃくしゅはい)」の二種に大別することができます。

「順修牌」

日頃から私たちに馴染みのある一般的な「位牌」で、故人の供養のために家族が作ります。

「逆修牌」

生前に戒名や法名を授けられた人が作る位牌ですから、位牌になる本人が、
自分で好みのものを選ぶことができます。


「順修牌」には、亡くなってから四十九日までの間祭壇に祀る「白木位牌」と、
四十九日の忌明け以降仏壇に祀る「本位牌」があります。
白木位牌は忌明けまでの仮の位牌ですので迷うこともありませんが、
本位牌については、しかり選びたいというのは、誰しも思うことでしょう。

本位牌の選び方で、最も大切なことは、その方らしい位牌を選ぶことです。

材質、デザイン、価格など、位牌には本当に様々なものがあります。
伝統を重んじた昔ながらの位牌もあれば、現代的なアート作品のようなモダン位牌もあります。

また、高価な唐木を使用した上質な位牌もあれば、取り扱いが楽で安価な位牌もあり、
壮麗な装飾が施されたきらびやかな位牌も、シンプルなスタイルの位牌もあります。
戒名や法名を記せる人数も、
12名から多数名まで幅広く、特定の地域だけで使用されている珍しい位牌もあります。

位牌選びは、それらたくさんの選択肢の中から自由に行ってかまいませんが、
位牌選びの基準が全くないというわけではありません。
例えば、「位牌のサイズ」も、ひとつの基準になるでしょう。
多くの場合、位牌は仏壇に安置するので、すでに仏壇がある場合や、仏壇を置く場所が決まっている場合には、
位牌も必然的に仏壇のサイズに合わせたサイズの位牌を選ぶことになります。
サイズについて、年配の方の中には、「子孫がご先祖様より大きな位牌をつくってはいけない」と言う方も
いらっしゃいます。しかし、これは、仏教の決まりというわけではありません。

元々は、一般的な「順修牌(じゅんしゅはい)」をつくる家族に向けた言葉ではなく、
生前に自分の「逆修牌(ぎゃくしゅはい)」をつくる人への戒めでした。

つまり、生前から戒名を授けられて自分の位牌をつくるような人は、
社会的成功者や経済的成功者であることが多いので、つい、大きな位牌をつくりたくなるものです。
しかし、そうした成功は自分ひとりの力で得られたものではないはずですから、
大きな位牌で自分の偉大さを示すのではなく、その成功をご先祖様に感謝する謙虚さを持ちましょうという
意味の込められた言葉なのです。
ですから、ご家族が故人の偉業を称えてご先祖様より大きな位牌をつくることは特に問題ありません。

サイズに関して言えば、本来、仏壇はご本尊を祀る場所だということから考えて、
ご本尊より大きな位牌をつくることは、やはり避けるべきでしょう。ご本尊が仏像の場合、
光背の高さよりも背の低い位牌にするのが良いでしょう。

また、ご夫婦のどちらかの位牌がすでに安置されている場合、あとからつくる位牌も大きさを揃えるのが一般的です。

ご夫婦の場合は、1つの位牌に戒名や法名を連名で入れる連名の位牌を選ぶ場合も少なくありません。
ご夫婦で
1つの位牌にする場合は、夫の名を向かって右側に入れ、妻の名を向かって左側に入れることが多いようです。